ラピス司法書士事務所 | 福岡市西区姪浜

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相続

空き家問題に対する司法書士の関わり

こんにちは。福岡市西区姪浜の司法書士井手誠です。
この夏、台風多いですね。なんか土日のたびに雨のような気がします。


最近、新聞記事等で「空き家」に関する記事をたまに目にします。

全国の空き家は820万戸に上り、住宅総数の13.5%を占めることが昨年10月時点での総務省の「住宅・土地統計調査」(5年に1回実施)で分かっています。5年前より63万戸も増え、ほぼ7戸に1戸が空き家になっている計算となります。今後、人口減や過疎化の進行などにより、空き家が一層増加することは容易に想像がつくでしょう。 


空き家があると、

・ゴミの不法投棄場になることがある
・周辺に悪臭や虫害などの影響がある
・放火されたりする可能性がある
・良からぬ人物が住みついたりする
・倒壊する危険性がある

など、周辺に居住している人からすると迷惑なこと甚だしいのですが、私有地ですから周りが勝手にどうにかするわけにもいきませんので、所有者に手紙を出したりして働きかけるしか術がありません。


もちろん、放置するのを良しとしない方も多いのですが、空き家を解体するのにもお金がかかるし、売るにも売れない(買い手がいない)という状況で、所有者からしても手詰まり感があるのも事実です。


ちなみに、迷惑をかけていると知りつつ空き家のままで放置するのには、一つは固定資産税等の軽減があるからです。

日本では不動産を所有していると「固定資産税」が必ずかかります。また、市街化区域内であれば「都市計画税」も徴収されます。
この2つの税金(合せて固都税と呼ばれます)は、市町村区が定める「課税標準」に基づいて税額が決まり、毎年1月1日時点の所有者に対して納税が義務付けられています。

この固都税には「住宅用地の特例措置」という制度があり、住宅用地に対する固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3まで減免されるというものです。

つまり、家を取り壊したら、固定資産税の税額が跳ね上がることになるのです。これだと、わざわざ解体しないですよね。


しかし、この「住宅用地の特例措置」という制度、政府は、治安や防災面から危険な空き家は対象外とする方向で検討に入り、地方自治体が老朽化して危険性があると判断することを条件とし、2015年度税制改正での実現を目指している、と報道がありました。


また、埼玉県所沢市が2010年7月に全国で初めて空き家条例を制定したのを皮切りに、全国の自治体で続々と制定が進んでいます。福岡市でも平成26年9月26日、「福岡市空き家の倒壊等による被害の防止に関する条例」を制定しています。


このように、全国的に空き家問題に対する機運が高まりつつあります。


とは言え、この空き家問題の解決は決して容易ではありません。自治体や地域住民、そして私たち司法書士、それぞれの立場で手を取り合い、地域全体で一丸となって取り組んでいく必要があります。その中で、私たち司法書士はどんな法的枠組みを利用できるのか、その可能性を様々な角度から探っていく、解決への知恵出しをすることになるでしょう。

これまで私たち司法書士は、法律の専門家として、不動産取引をはじめ、相続問題や、成年後見業務、不在者等財産管理の問題などに深く関わってきました。

したがって、この社会問題に、私たち司法書士も携わることが今後増えてくると思われますし、司法書士ならではの観点や職能を発揮して取り組む責務があると考えます。


依頼の中で、すでにいくつか空き家問題を抱えている当事務所にとっては他人事ではありません。少しでもよりよい解決策を提供できるよう研究を怠らないようにします。

当事務所は、「まもる」をコンセプトに以下の業務を行っております。

■「資産」をまもる → 財産管理・不動産登記・成年後見・民事信託
■「企業経営」をまもる → 契約助言・事業承継・商業法人登記・事業再生・法務顧問
■「人間関係」をまもる → 遺言・相続手続・成年後見・各種裁判所提出書類作成
■「権利」をまもる → 裁判手続・裁判所提出書類作成・不動産登記
■「安心生活」をまもる → 相続対策・生前贈与・トラブルの未然予防・トラブル対処