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会社の登記/法務

『ルーズヴェルト・ゲーム』中の株主総会

こんにちは。福岡市西区の司法書士井手誠です。

この土日は久しぶりの雨で、梅雨っていう気がしましたね。


昨日は、4/27~毎週日曜に放映されていた『ルーズヴェルトゲーム』の最終回でした。全国的な視聴率はいまひとつだったようですが、私は楽しく見ておりました。


かつてルーズヴェルト大統領が「野球で一番面白いのは、8対7の試合だ」といったことから、そのスコアの試合をルーズヴェルト・ゲームというそうです。
舞台は、大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが──社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む奇跡の大逆転「ルーズヴェルト・ゲーム」。

ということで、最終回では、野球部は、都市対抗野球大会地区予選決勝でライバルとの因縁の対決、青島製作所の経営陣は会社存続をかけた株主総会・ライバル社との商品コンペ対決とそれぞれの戦いが描かれていました。


職業柄、特に株主総会で思うところが多々ありました。

ドラマの中では、株主総会が株主の一人から社長に対して招集請求され、根回し等がなされつつ株主総会が開かれ、激論戦わすもライバル会社との経営統合が否決された、という風に話が流れていったのですが、株主総会について法的な内容をもう少し深く知りたい方は以下を参考になさってください


◆株主総会の種類
定時株主総会と臨時株主総会の2種類があります。
今回は、株主からの招集請求ということですから、臨時株主総会です。


◆株主総会の招集の決定
実際には、会社が行うことがほとんどです。しかし、経営陣にだけ任せていると株主の利益が 蔑ろにされる可能性があるので、一定の要件を満たす株主からの招集請求を認めています。
今回は、株主がこの権利を行使しています。


◆議案提案
実際には、会社側(取締役会など)が提案しますが、一定の要件を満たす株主は、一定の事項 を株主総会の目的とするよう請求することができます。
はっきりしませんが、おそらく今回は株主がこの権利を行使していると思われます。


◆株主総会への出席
株主総会へは、直接出席してもよいし、代理人に委任して出席してもらうこと(委任出席)も できます。また、条件を満たせば書面での議決権行使をすることもできます。
今回は、直接出席者が7名、委任状出席が複数名といったところでした。


◆議案の可決要件
議案が株主総会で承認可決されるためには、法律及び定款で定められた要件をクリアすること が求められます。それぞれの議案の重要度に応じて、普通決議・特別決議・特殊決議などが決 められています。
今回は、経営統合ということで、「合併」か「株式移転」「株式交換」などの組織再編行為の いずれに当たるかわかりませんが、いずれにせよ要件は特別決議となります。


◆特別決議
法律上は、議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数とし、出席株主の議決権の3分 の2以上により決議することになっています。
今回は、おそらく大株主の2人(合計60%)とその他の株主で3分の2を超えた(67%以上)ので しょう。


◆議長権限
議長は、議事整理権と秩序維持権という強力な権限を有します。基本的に議長が指名しないと 発言できません。
今回のドラマの中では、一部株主が暴言と不規則発言を繰り返していましたが、実際は退場を 命じられる事態になるかもしれません。演出だと思いますので、楽しみましたが。


実際の株主総会は、会社法という法律に基づいて招集の段階から議事録作成まで縛られています。中小零細企業の経営者の中で、この辺りに詳しい方はほとんどおられません。このことは別に悪いわけではなく、私たち専門家を上手に活用すればいいだけのことですが、中にはまるっきり無視する方もいらっしゃって、気がつくとどうしようもないという状態に陥っていることが少なくありません。
このドラマのように、株主を蔑ろにしてると、もしかするとしっぺ返しがあるかもしれません。株主には、会計帳簿閲覧請求権や株主名簿閲覧交付請求権、取締役会議事録閲覧交付請求権、株主代表訴訟などもありますので、怒らせると怖い存在です。


これは法的にどうなんだろう?と思ったらすぐにご相談を。


司法書士は、株主総会の入口(招集)から出口(議事録備え置き)まで、トータルにサポートできます。その他、現在の株主構成が孕む危険性について調査し、対策案も提示できます。
意外と便利な存在なんですよ。


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