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知らない間に婚姻届を出されたら…(平成22年5 月15日記事)

こんにちは。今週走り回っているイデです。

今日の記事は、何とも独身者には背筋の凍るお話かもしれません。

こんなこともあるんですね…

実際に起こったら、どうしていいやら途方に暮れそうです。

以下、転載分。

 ↓ ↓ ↓

昨日(平成22年5月14日)の読売新聞朝刊にこんな記事が出ていました。

【元妻の娘と「結婚」〜婚姻届偽造容疑で57歳逮捕】

元妻の連れ子だった女子高校生と結婚するため婚姻届を偽造したとして、兵庫県警が元税理士の男を

有印私文書偽造容疑で逮捕したことがわかった。男は地元の市役所に元妻との離婚届を出した翌日、

女子高校生との婚姻届を出して受理されており、戸籍上は「夫婦」の状態。女子高生は市役所からの

通知で結婚に気付き、家裁に婚姻の無効確認を求めて調停を申し立てている。

(中略)夫婦の状態を取り消すには、家裁が婚姻無効を認め、市役所で戸籍訂正の手続きが必要で、

早くても数ヶ月はかかるとされる。

しかしまぁこの人、いい年して何やってんでしょうねぇ…。ありえない。

勝手に「妻」にされた女子高生は驚いたでしょうし、本当にお気の毒です。

当然、結婚(婚姻)には、お互いの『結婚する意思』が必要です。

婚姻届を受理されたからといって有効になることはありません。当然最初から無効です。

しかし、記事にもあるように、たとえ無効なものであっても勝手に婚姻届が提出され、役所に受理されて

しまったら、婚姻無効の調停なり審判なり判決なりをしてもらわなければ、役所への申立てだけで戸籍を

訂正することはできません。

間違った届出であっても、一旦戸籍に記載がなされてしまうと、かなり面倒なことになります。

ここまで読んで、怖いと思ったあなた、とりあえず、戸籍をチェックしとかなくてよいでしょうか??

さて、こういったことを予防する手立てはあるのでしょうか?実は、あります。

『婚姻届の不受理申出』という制度です。

この申出書を出しておけば、婚姻届が受理されることはありません。

〈ある特定の人間を指定する場合〉と、〈特定の人間を指定しない場合〉の、2ケースがあります。特定の人間を指定する場合は、特定する人の氏名、生年月日、住所、本籍地を不受理申出書に

記入しておくと、その人から婚姻届が提出されても、受理されることはありません。特定する人は1人だけでなく、複数の人を指定することも可能になっています。特定の人間を指定しない場合は、不受理申出書に”不特定”と記入しておけば、誰が婚姻届を出そう

とも、一切受理されることはありません。役所が、婚姻届を受理しない期間≪不受理期間≫は、最長で申出の日から6カ月間で、それ以内で

あれば申出する人が自由に定めることができます。

指定した不受理期間が過ぎると、申出は自動的に無効になりますので、不受理期間を

延長したいときは、改めて申出書を提出しなくてはなりません。結婚したい人が現れたときは、不受理期間の最中であっても「婚姻届の不受理取下書」を提出すれば、

婚姻が可能になります。

なお、不受理取下書を提出する場合は、不受理申出書と同じ印鑑が必要となります。

ストーカー被害に遭われている方は、知っておくと良いでしょう。

また、離婚の場合も、同様に「不受理申出」の制度があります。念のため。

ちなみに、勝手に婚姻届を出す行為は、刑法上、「有印私文書偽造罪」や「公正証書元本不実記載罪」という犯罪になります。

したがって、絶対にやってはいけません。

当たり前ですが。