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会社の登記/法務

!役員の任期管理にご注意を!

こんにちは。福岡市西区の司法書士、井手です。
昨日で38歳になりました。新たな気持ちで今日からがんばります。

さて、今日のテーマは、株式会社の任期についてです。
別の雑誌にも寄稿していますが、重要なことなので、本ブログでも取り上げます。

平成18年5月1日に、「会社法」が施行されました。
役員の任期について、この会社法の施行以前は、取締役は2年、監査役は4年の任期が
定められていました。
しかし、会社法施行後、全株式に譲渡制限のついている非公開会社(※)では、定款で定めれば、
取締役及び監査役の任期は最大10年まで延ばすことができるようになりました。

それまで必ず隔年で役員変更登記が必要だったのが、そんなに役員異動のない中小企業も多く、
登記コストの削減・事務手続きの減少にも繋がることからこの制度は歓迎され、導入(=任期伸長)した
企業は数多くあります。
そのほとんどは、10年にしているのが実感です。

10年まで延長ということなので、一見、平成28年までは大丈夫に思えますが、実は、
会社によっては注意が必要です。

というのも、会社法施行時点(平成18年5月1日)で役員である者については、当初の
任期満了日までに任期伸長の手続(=定款変更)を行えば、任期を10年の範囲で延ばすことが
できたのです。

はい、よく分かりませんね。

具体例を挙げてみます。

例えば、役員任期を決算日に関する定時株主総会終結時までとする会社に、平成16年5月に
就任した取締役がいた場合、その任期満了日である平成18年の定時株主総会終結までに
任期を10年に伸長したとすると…

新しい任期満了は平成26年の定時株主総会終結までとなります。

【本来の任期】
平成16年5月就任 → 平成18年5月の定時株主総会終結まで

【新しい任期】
平成16年5月就任 → 平成26年5月の定時株主総会終結まで
つまり、今年!意外と目前に迫っています。意外と10年は早いですね。

10年前のことなので、もし役員変更登記を忘れていたらどうなるでしょうか?
考えられるリスクは2つあります。

①最後の登記があった日から12年間経過した場合は、法務局が職権で解散の登記を
することになります。これに該当するかも!?
②法定期限までに役員選任とその登記を行わなかったら、裁判所から「過料」を支払え
という命令がくることになります。しかも、代表取締役の個人宅に直接!

いずれもダメージはありますので、ぜひ管理を徹底いただきたいと思います。

だって、せっかく登記コストを下げるために行ったことなのに、上記のリスクに該当すると、
削減した以上のコストを支払うことにもなりかねませんから。
ザ・本末転倒。

ということで、御社は、役員の任期管理がきちんとできていますか?
自社の役員任期がいつまでかお知りになりたい方は、いつでもご相談ください。