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企業法務コラム

契約書ひな型に潜む罠

消費税率が8%に引き上げられる。業種業態にもよるが、御社はこれに対応できた契約書の条項になっているだろうか?契約のミスで4月以降損をしないように気をつけたいものだ。

ところで、一般的に、取引先と契約書を交わすとき、インターネット上にあった契約書ひな型を使用したり、社内にある別の契約書を参考にすることが多い。ひな型を参考にすること自体はぜんぜん悪いわけではなく、むしろ有効に活用すべきだが、そのまま内容の検討すらせずに利用することには、リスクが潜む。

なぜか?契約は、個別に事情や背景、置かれた立場が異なるため、まったく同じものはなく、基本的にその都度作成することが必要となる。一方、ひな型は、より多くの利用者に多くのシチュエーションで参考となる見本として価値があるものだから、一般的・抽象的・対等な内容が定められていることが多い。

契約は、お互いの権利と義務を定め、もしものことがあった場合の証拠とするために作成するものである。実情に合わないひな型をそのまま使用した場合、自社にとってもっと有利になる内容が考えられるのに気付かなかったり、トラブルになった際に役に立たなかったりすることになるリスクを抱えることになるのだ。せっかく契約書を交わすのであれば、自社にとって意味のあるものでなければならない。契約書ひな型は完璧ではないことをしっかり理解し、自ら判断することが重要である。

とはいえ、法的素養のない素人が一から勉強するのはナンセンスだから、上手に専門家(弁護士・司法書士等)を活用してもらいたい。後から発生するかもしれない不利益を予めヘッジし、利益を減らさないように手当てしておくことも経営者の役割である。

BisNavi201402月号掲載