経営者保証に関するガイドライン①
平成25年12月5日、「経営者保証に関するガイドライン」が公表され、本年2月1日から適用となっている。
日本の中小企業経営者が、会社の事業について金融機関から融資を受ける場合、当たり前のようにその経営者は連帯保証をしなければならない。これは、事業を失敗すると、個人の財産(ともすると先祖伝来の財産も)を根こそぎ失うことを意味する。
確かに経営者のモラルハザード(失敗したら借りたお金を返さない)を防ぐ一定の役割を担っていたであろう。だが、一方で、失敗すると全てが終わり、という恐怖で萎縮してしまい、思い切った事業展開や失敗した事業の早期再生、再チャレンジに踏み切ることができないという側面があることも否めなかった。
日本政府は、こうした経営者による連帯保証という融資慣行について、様々な問題があると認識し、平成25年6月発表の「日本再興戦略」において、一定の条件を満たす場合に保証を求めないことや早期事業再生着手のインセンティブを与えることなどのガイドラインを策定することを明記した。これを受けて、ガイドライン公表後、現在すでに適用となっていることは冒頭示したとおりだ。金融庁は、様々な金融機関団体に対して、このガイドラインの積極的な活用を要請している。
経営者保証に依存しない融資の促進は、世界の金融常識にも合致し、喜ばしいことである。現在経営者保証をしている法人は、一定の要件はクリアしなければならない(ハードルは高い)が、保証契約の見直しを申し出ることもできる。
ガイドラインの内容は次号に譲るが、要件と言っても保証契約を解除するには当然の中身である。この大きな変化を「吉」と捉えて、情報収集を怠らず、将来的に保証を外せるよう努力したい。できる限りの情報提供はするので、気軽に問い合わせ頂きたい。
BisNavi201404月号掲載