従業員による自動車事故
6月1日から、改正された道路交通法が一部施行されます。これは、自転車の運転者に関するもので、もしかすると会社でどうこうすることはないかもしれません。ですが、年々自動車事故に対して世間の目が厳しくなっているのは皆様ご承知のとおりです。道路交通法は頻繁に改正されており、罰則はどんどん引き上げられています。
こうした状況下において、もし不幸にも従業員が自動車事故を起こした場合、会社としてはどんな責任が生じるのか把握しておられますか?
会社が所有する車で事故をした場合、通常自動車損害賠償保障法の規定によって、会社も損害賠償責任を負います。また、従業員が仕事中に事故を起こした場合、民法の規定によって、会社も使用者責任として損害賠償責任を負うことになるのです。
従業員が起こした事故とは言え、高額な損害賠償を請求されるケースがありますから、対人無制限の保険をかけておくのは当然のことと言えますが、できるだけ保険を使わなくていいようにするには、毎日の地道な取り組みを積み重ねるしかありません。
例えば、法律上の義務(点検整備、整備記録簿の備付、定期点検など)を果たしておくこと、安全運転教育や従業員の健康管理を徹底すること、社内の自動車管理規程や使用規程の整備をすること、就業規則を整備すること、などが挙げられます。
あまりないけど、あると影響が大きいのが交通事故です。事故を起こしても、会社も、従業員も、相手方も、何一ついいことはありません。事後の対応いかんによっては、会社の信用にキズがつくことだってあり得るのです。朝礼で、運転中にヒヤリハットした事例を話すなど、安全運転について考える機会を設けたいものですね。
BisNavi201506月号掲載