10月から会社登記で●●が必要に
社歴が長い会社ほど要注意です!!今年の10月1日以降、株主総会議事録を提出する必要のある各種登記申請の際には、株主情報の添付が求められることとなりました。地味に重要な省令改正です。
株主情報は、株主名簿を基に作成します。株式会社では、株主名簿を作成して、それを本店に備え置かねばならない、と会社法で定められています。しかし、上場会社を除く大半の中小零細な株式会社では、株主が親族だけ・少数であるなどの事情から、そう頻繁に株主が変わることもなく、そもそも作成の必要性や動機付けが乏しい現状と言えます。はたして、どれだけの企業が備え置いているものでしょうかね…
ところで、株式会社が役員変更や定款変更をして現在登記されている事項に変更があった場合、変更登記しなければなりませんが、添付書類として株主総会議事録が必要になります。議事録は簡単に作成押印できてしまうため、本当は株主総会を開いていないのに開催したことにするなどして、株主の知らないところで勝手に登記が変更されていることが多々あるって皆さんご存知ですよね?
今回の省令改正の意図は、不実の議事録作成を抑制することと、不実の議事録が原因で裁判等になった場合の証拠保全にあるものと思われます。不実の議事録をもとに不実の登記をさせた者は、「公正証書原本不実記載罪」という立派な一般刑法犯(5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)にあたりますから、今後はあまり適当なことはしない方が身のためでしょう。
法人税申告書別表二に、株主の記載がなされていますが、現実と乖離していることもあります。また、連絡が取れなかったり、当初の株主が亡くなり相続が発生していたり、所在不明の株主がいらっしゃることもありますから、この機会に株主名簿の作成または再整備することをお勧めします。とにかく早めの着手が望ましいのは間違いありません。
BisNavi201607月号掲載