自然災害発生時にどう動く?
日本では、ここ20年、阪神淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震などの地震災害や火山の噴火、土砂災害が数多く発生しているのはご承知のとおりです。
では、自然災害発生時に企業がどのように対応しなければならないのか、又はどのようにリスク対策すべきなのか、法令の定めを少し見てみます。
1.災害対策基本法
防災上重要な施設の管理者は、法令又は地域防災計画の定めに基づいて誠実にその責務を果たさなければならず、災害が発生又は発生する恐れがある場合において、備蓄する物資又は資材の供給に努めなければなりません。
2.消防法
事業者は、従業員や顧客を守るという消防法の目的に沿って防火・防災管理を行わなければなりません。例えば、消防計画の作成、避難訓練の実施、避難誘導の準備、転倒防止措置等を行う必要があります。
3.労働契約法
使用者の安全配慮義務が定められており、災害時においても労働者の生命や健康を確保する対応をとらなければなりません。
4.民法
経営者は、経営について高度な注意義務を負っています。困難な局面においても事業を継続し、適切に利益を上げる必要がありますから、自然災害に備えてリスクを回避又は軽減することが、経営者の責務と言えます。
5.会社法
取締役会がある会社では、少なくとも損失の危険の管理に関する規定や損失管理体制を整備する必要があります。
企業は自然災害発生時にも従業員らの安全を守り、かつ事業継続することが求められていますが、それらを支援する施策は数少ないものですから、あくまで自社で準備・対応せざるを得ません。
ある程度自然災害時の対応指針となる上記のような法令や判例を参考にしつつ、具体的行動計画を定めておくようにしましょう。
BisNavi201608月号掲載