皇位継承に事業承継を思う
皇太子殿下が御即位され、ついに令和の時代がスタートしましたね。王家の現存する国はイギリスをはじめ世界に27か国あるそうですが、この中で最も歴史が長いのが日本の天皇家になります。宮内庁のホームページによると令和天皇は126代目にあたり、今は神武天皇の即位(紀元前660年)から数えて何と2679年に及びます。神武天皇は神話の中の人物であり実在の信ぴょう性が低いという説がありますので、実在が確実視される第26代継体天皇(6世紀前半)で計算したとしても、6世紀以降に王朝交代の証拠がない日本において皇位は少なくとも1500年に渡って継承されてきたことになります。それでも、王家の存続歴史第2位のデンマーク王室と比べて200年は長いのです。
また、日本の会社や事業の中にも、世界に誇れる歴史を持つところが少なくありません。1000年以上の老舗もいくつかあるようです。❶金剛組(578年~大阪)聖徳太子から四天王寺を建てる仕事を与えられたのが始まり❷池坊華道会(587年~京都)言わずと知れた華道のお家❸慶雲館(705年~山梨)世界最古の宿としてギネス認定もされている温泉旅館❹古まん(717年~兵庫)❺法師旅館(718年~石川)現在の当主は第46代法師善五郎❻源田紙業(771年~京都)奈良時代創業し平安京遷都とともに移転❼田中伊雅佛具店(885年~京都)創業から一貫して仏具を取り扱う❽一文字屋和輔(1000年~京都)あぶり餅だけを提供し続け、飲食店としては日本最古。
皇位の「継承」は、身分や役割の引継ぎということですから、厳密には事業承継における「承継」と意味は違いますが、次世代への引継ぎという広い概念では同じです。スムーズなバトンタッチには時間がかかります。自社の事業または家業を長く続けたいという方は、ぜひこの機会に計画や行動を始めてみてはいかがでしょうか。
BisNavi201905月号掲載