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企業法務コラム

「集団左遷」第4話に突っ込む

皆さん、日曜夜10時から放送のTBSドラマ「集団左遷」はご覧になっていますか?第1話から続けて見ていますが、おそらく現役銀行員や元銀行員からすると、「ちーがーうーだーろー」と言いたくなるような軽めの(現実離れしている?)タッチの演出ですから、好き嫌いは分かれそうです。

第4話は、行員の前支店の得意先だった不動産コンサルタントが、その行員を信頼して高級ビジネスホテル建設のために40億円融資を申し込まれて融資したものの、実は売主を名乗る人物は真っ赤な偽物で、地面師詐欺だった、というもの。昨年、積水ハウスが地面師に63億円だまし取られた事件をベースにしているのでしょうか。

この話の途中、名刺交換の場面でいきなり司法書士が登場し驚きました。たぶん不動産売買の1回目の顔合わせだったと思いますが、その段階で立ち会う司法書士は直接売主買主の知り合いで、かつ立ち会って欲しいと依頼されない限りかなりの少数派と思われます。また、融資の絡む不動産売買の場合、通常の司法書士業務だと、最後の代金決済時に登場し、契約内容の履行と本人確認及び登記に必要な書類を確認したうえで、法的に所有権移転が確実だと確信してから金融機関に融資実行して良い旨を宣言し融資を行うことになります。

ですが、集団左遷のドラマでは、そもそも代金決済時に司法書士が見当たらず、しかも融資実行の場面で小切手を手渡していたような…、登記に必要な書類も銀行員が預かっていたような…。演出かもしれませんが、監修ずさんすぎるだろ!と突っ込んでしましました。

まぁ、あまり実務に即しすぎてもそれを悪用される恐れもありますし、ドラマですから楽しんで見ましょう。ただ、不動産売買の際の決済手続きは、実務とか家離れておりましたことをご報告させていただきます。

BisNavi201906月号掲載