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企業法務コラム

株主を蔑ろにすると…

今年4月27日から毎週日曜に放送されたドラマ『ルーズヴェルトゲーム』。6月22日の最終回、経営陣と株主の争い、野球部の試合、商品採用コンペと手に汗を握る3つの逆転劇を見て、スカッとした方も多いことだろう。私も大変楽しく拝見した1人だが、職業上「?」と思うことも、特に株主総会に関して多々あった。が、そこは突っ込まず、今回は、株主に認められている権利について少し申し上げておきたい。

株主には、会社法第105条で、自益権と共益権の二つの権利が認められている。自益権とは、いわゆる「配当」を受ける権利であり、共益権とはざっと株主総会で投票する権利である。ドラマの株主総会は、総株主の議決権の10%を保有する株主から招集請求されて開催されたものだ。株式公開していない会社なら、3%以上を保有していれば、適法に株主総会開催を請求することができる。もし経営陣が請求を無視したとしても、株主側が裁判所の許可を得て総会を開くことができるため、開催せざるを得ない。しかも、株主は議決権の3%以上を保有していれば一定の事項を議案とするよう請求することもできるのである。

そして、これらの招集請求権や議案提案権を行使する株主は、きっと株主名簿閲覧請求権と取締役会議事録閲覧請求権も行使することだろう。ひょっとしたら、会計帳簿閲覧請求権なんかも行使するかもしれない。権利の名前を見たら意味がわかるように、会社は、株主の前では丸裸同然だ。ドラマの中で、会社は誰のものか?株主のものだ!というセリフがあったが、純粋に法律上の観点からすると、その発言は正しい。

だから、株主を蔑ろにしてはいけないし、舐めると大ケガすることになるのである。私たち法律家は上記の権利を最大限使って揺さぶりをかけることなどざらだ。青島製作所と同じように、株主構成の弱点を抱えていないだろうか?今のうちに現状把握と対策検討をしておこう。いつでも相談いただきたい。

BisNavi201407月号掲載