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企業法務コラム

PCデポに学ぶ

先月のお盆頃に少し話題になった、PCデポの「高額サポート契約&解約料」事件はご存知でしょうか?

コトの発端は、ツイッターユーザーが投稿したツイートで、いわく「80過ぎの独居老人である父が、PCデポに毎月1万5千円の高額サポート契約を結ばされていました。解約に行ったら契約解除料10万円を支払わされました」とのこと。消費税含めて10万8千円のレシート画像も添付されていました。

80歳過ぎの老人が、パソコンの修理に行ったところ、ファミリーワイドプラン(家族所有も含め10台まで初期設定、データ移行サービス、ワイヤレスインターネットサービス、ウィルス対策、インターネット詐欺対策、トラブル復旧サービス、電話サポートをセットにしたパッケージ商品)という月額5500円のサポート契約を結び、さらに光電話やアイパッドのリースなどのオプションが付けられて、月額合計1万5千円の契約になったという経緯のようです。ユーザーが解除料20万が高いとごねると10万になったとのことでした。

この一件、どう思われますか?そういう契約だったから、払わないといけないのではないか、何が問題なんだと少しでも思った方、アウトです。リーガル(法的)センスがありません。 引っかかる点はいくつもあります。例えば①1人暮らしの高齢男性に果たして「ファミリーワイドプラン」が必要だったのか、②契約が妥当なものなのか③契約解除料が減額されたのはなぜか④解除料20万は適正なのか⑤解除料に消費税かかるのか、など。

この問題が発覚する前の8月10日は1498円だったPCデポの株価が、この記事を執筆している8月24日時点では809円になっています。時代は、消費者保護の方向に向かっており、高齢者への販売に対する社会の目はますます厳しくなることでしょう。今どき消費者契約法の知識もなしにサービスや商品を販売するのはリスクです。自社の販売方法に問題はないか、一度立ち止まって見直すことをお勧めします。

BisNavi201609月号掲載