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企業法務コラム

申告漏れと所得隠し

ラグビーワールドカップ日本代表の勇姿に胸を熱くし、日本各地の台風の爪痕に心痛める、そんな10月でした。ほかにも、全日本テコンドー協会の運営問題や女性タレントのタピオカ炎上騒動など、司法書士目線で切り取ると面白そうなネタが盛りだくさんで、コラム執筆のネタに迷っているところに飛び込んできた有名お笑い芸人による衝撃的な申告漏れ事件。

報道によれば、そのお笑い芸人1人の会社が昨年12月に税務調査を受け、直近3期分約1億2000万円が無申告(申告漏れ)、追徴法人税額は重加算税含む約3700万円、追徴消費税・源泉所得税は約6500万円、会社経費として計上した旅行代・洋服代・時計代など約2000万円が個人的な支出として所得隠しと認定され、さらに加入義務のある社会保険に未加入かつ未納、個人所得も無申告と、まぁやりたい放題です。

重加算税は、「仮装」「隠ぺい」「架空取引」「虚偽記載」「売上除外」など不法行為と言えるような悪質・意図的・積極的な行為 

がある場合に課されるペナルティです。3期分の無申告については意図的なものではなかったとの判断でしょうが、所得隠しとされた個人支出分については隠ぺい工作などがあったのかもしれません。

きちんと申告納税されている皆様からすると、無知・無頓着にも程がある、といったところでしょうか。それにしても、改めて税務調査の恐ろしさや調査で何かあったときの税金のインパクトが計り知れないことを見せつけられました。真面目にやるべきことをやっておくのが一番ですね。

これは、税務申告だけでなく、社会保険や登記など会社で義務付けられていること全般に同様のことが言えます。この機会に、法令で義務付けられていることは何か、それはいつする必要があるのかなどについてリスト化しておくことをお勧めします。意外な見落としが見つかるかもしれませんよ。

BisNavi201911月号掲載