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企業法務コラム

民事介入暴力の対策を

福岡県は、暴力団員が多数住んでいる地域である。県内に指定暴力団が7団体あり、その数、昨年6月時点で約3400名(準構成員含む)。ちなみに、年間発砲事件の4割は福岡である。

ところで、民暴とは、暴力団やその周辺者が、日常生活や経済活動に伴う民事紛争に対して、当事者あるいは代理人として介入し不当な利益の獲得を図る行為と定義される。例えば、公共工事に絡んで恐喝したり、株主間の紛争に不当に介入するなどである。暴対法施行以後は、暴力団と無関係であることを装ったフロント企業やクレーマー等を利用するなど経済活動への不当介入は広域化・知能化・巧妙化の一途をたどる。表向きでは暴力団か否か判断がつかないこともあり、企業にとって、いつ巻き込まれてもおかしくない「リスク」の一つである。

いざ契約を結んでしまうと、相手が暴力団員又は反社会的勢力ということだけで自由に契約解除することは、原則としてできない。反社会的勢力のほうが法的知識を十分に持っているケースもあることを念頭に置いておこう。

では、暴力団をはじめ反社会的勢力を契約締結の前段階でシャットアウトして関わり合いを持たないようにするにはどうしたらいいのか?まずはフロント企業にありがちな特徴を知り、次に「暴力団排除条項」を上手に利用することである。

特徴の例は、①商業登記簿上いろんな動きが見られ合理的な説明がなされない②会社本店や代表者個人の不動産に不自然な差押等がある③社内の調度品や置物・車、社員・責任者の言動が不自然、などである。

福岡県は、暴力団排除条例の中で、事業者間の書面による契約には「暴力団排除条項」を盛り込むことの努力義務を定めている。御社はきちんと対応できているだろうか?

 

BisNavi201206月号掲載