ラピス司法書士事務所 | 福岡市西区姪浜

ラピス司法書士事務所 お問い合わせ
お問い合わせ

企業法務コラム

新型コロナウィルスに思う

新型コロナウィルス。1月は、日本全体が「そんなウィルスが流行っているのか、かかった人は気の毒だなぁ」くらいの認識だったものが、2月末には国家を挙げての対策が進められ、イベント等の自粛・開催延期ムードが広がり、オリンピックの開催も危ぶまれる事態となっています(二月二十六日時点)。

確かに経済的には大打撃でしょうが、世界的に感染者と死亡者が拡大傾向にある中で何を優先するのか、政治家はじめ国民の良識が問われているのかもしれません。

今回と似たようなことは、9年前の東日本大震災で日本は経験しています。あの時も経済活動の自粛ムードに包まれ、「不謹慎」なる言葉が蔓延しました。その時の経験は、経営の危機管理に活かされているでしょうか。皆さん立派な経営者ですので、おおよその一般人と違って、きっと「自分は大丈夫」的な現実感のない残念な思考はされてないと思います。今回は、今まで備えてきた答え合わせをして、より改善できる機会がきたと前向きに考えられるのではないでしょうか。

逆に今まで何も対策してこなかった、もしくは大事だとは思うけど後回しにしていた、という方がいたとしたら、自社のことを考え直す機会だと捉えてはいかがでしょうか。例えば、社員が出社できない事態に備えてテレワーク化を抜本的に進めたり、一時的な対応としてこのようにするというマニュアルを定めたり、営業手法を改めたり、就業規則を改訂したり…やることはたくさん見つかるはずです。やるべきことをリストアップしたら、後は優先順位をつけて計画的に進めるしかありません。経営者が先頭に立って。

危機管理・リスク対策の要諦は、「考え得る最悪の事態は何か」という想像力にあります。現実に今起こっていることは、また起こり得ることでもあります。喉元過ぎて熱さを忘れませんように。

BisNavi202003月号掲載