契約の管理
企業が行う企業間の取引や消費者との取引は、基本的に契約に基づいて行われます。1回限りで取引が終わるものはともかく、継続的な取引となると、契約書を作成していることが多いでしょう。
しかし、契約を結んで契約書を取り交わすところまではしっかりやっていても、その後何の管理もされていない場面を目のあたりにすることが多くあります。
例えば、経営者や従業員が契約の内容を理解していない、必要な時に契約書が出てこない、誰でも見られる場所に契約書が置かれている、契約の更新や更新拒絶の通知期間を過ぎている、担当者が誰か分からない、契約内容に基づいた業務がなされていない、古い契約書と新しい契約書がごちゃまぜになっているなど、もしかすると心当たりのある方がいらっしゃるかもしれません。
経営者は営業に意識が傾き軽視しがちですが、契約の管理は、企業のトラブル予防やコンプライアンスの観点から経営上重要な業務と言えます。
ところで、一口に経営の管理と言っても、実際は、次の2つに大別されます。
①「契約書」原本の管理
②契約「内容」の管理
どちらも重要ですが、②について、契約で決めたことと実際の業務がリンクしていないことが往々にしてありますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。やらなくてもいいことをサービスで提供していたり、やらないといけないことを行っていないことがきっと出てくるでしょう。意外と、従業員は普段疑問に思っていて、意見がどんどん出て業務の効率化が図れたり、組織間の横のつながりが太くなり風通しが良くなったという実例もあります。
契約を放置していてもトラブルに発展する確率は僅かかもしれませんが、管理を怠り、いざトラブルが発生すると、時間を奪い、精神を削り、お金もかかる厄介な代物です。
契約管理に関するご相談はいつでもどうぞ。
BisNavi201612月号掲載