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企業法務コラム

執行役員とは何ぞや?

会社には様々な役職名があります。最近だと、「執行役」とか「執行役員」、「常務執行役」などの役職名が書かれた名刺をいただくことが増えてきましたが、何となく分かるような、でもいったい何者?役員?社内の序列はいったいどんな順になっているの?と口に出して言えないけど心の中で思っている人もおられるとか。役職名で人を混乱に陥れている「執行」役ですが、法的にはどうなっているのでしょうか?

そもそも役職には、①会社法で定められた役職②単なる敬称・俗称として用いられる役職の2種類があります。会社法で定められた役職として、取締役、代表取締役、監査役、会計参与などがあり必ず登記がされますが、執行役は①に含まれず登記もされません。したがって、単なる敬称や俗称の類ということになります。会長、社長、工場長、本部長なども同じです。

法律上、取締役は会社の重要事項や経営方針を決定する権限を持っていますが、執行役員は法律で定められた位置づけがありませんので、一般的には決定した重要事項を実行する役割を担う人であって、法律上は従業員と一緒ということになります。ただし、法人税法上の役員の範囲は、実質的に経営に従事していると認められる人(主要な取引先との案件の決定権や採用人事権を持っている状態)や同族会社の従業員のうち一定の要件をすべて満たすと人と定義されておりますから、要件に当てはまるなら税法上役員とみなされる可能性はありそうです。

執行「役員」の役職(肩書)は、「対外的に信用を得るにはどう表現したらいいか」「どんな肩書だとかっこいいか」「ポストをどう与えるか」という会社の苦心の結果であり、別に法律上の役員ではない、ということさえ知っておけば良いでしょう。

BisNavi201809月号掲載