国際取引の契約のポイント
経済の冷え込みが続く日本において、海外展開に活路を見出し積極果敢にビジネスチャンスを求める中小企業が増加している。
こうした状況を受け、中小企業庁は、3月9日、中小企業海外展開支援大綱を改定し、オールジャパンで支援していく意向を示した。
海外と取引を行う場合、それぞれの国によって習慣や文化、風俗、法律が大きく違うため、日本と同じに考えていては上手くいかない。もし法的トラブルに巻き込まれると精神的・時間的・費用的に多大な負担を覚悟しなければならなくなる。そこで、国際取引を始めるにあたり、法的トラブルに巻き込まれないための簡単なポイントを5つ挙げてみる。
①相手の国の文化と法律を調査する
相手を知り己を知れば、百戦危うからず。現地の法律に詳しい専門家を見つけるかJETROなどから情報を仕入れると良い。
②契約書が“全て”である
契約した後の修正や追加は困難。書いてないことはやっていい、など解釈されかねず、「基本的なことだけ定めて、後は何かあったら」なんて甘い考えは厳禁。細かいことまで全部盛り込んでおくこと。
③契約交渉に遠慮は禁物で、時間がかかる
契約締結までは、お互いの主張を自由にぶつけ合うことができる。議事録や合意書を上手に利用し、交渉経過を文書化しておく。
④使用言語をどうするか決める
国際取引だから英語で契約しなければならないというルールはない。契約書をどの言語で記載するかもその力関係で決まる。
⑤どちらの国の法律を利用するか決める
契約内容やトラブル発生時ついて、どちらの国の法律や裁判所で解決するか、あらかじめ決めておくこと。大変重要。
海外展開を成功させるためにも、上記のポイントに留意して契約を進めて頂きたい。
BisNavi201204月号掲載