吉本興業の落日?
所属芸人らによる「闇営業問題」、芸人の会見後に開いた吉本興業社長の釈明会見で火に油を注ぐ状態となり、いまだ鎮静しません。いまや吉本興業(以下「吉本」と言います)の企業体質等まで大いに叩かれ、官民ファンド「クールジャパン機構」から吉本に対する100億円規模の多額の資金(税金)投入の適正性に疑問の声が上がる事態にまで発展しています。
ビートたけしが、吉本と芸人を「猿回し」と「猿」に例えて、猿が悪さをしたからといって猿に謝れと言ってもダメで、飼っている方(猿回し)が謝るものだ、と言っていたように、初期段階で吉本が前面に出れば良かったのにそうしなかったことで、吉本はやり方が下手だったなぁという印象をお持ちの方も多ことでしょう。きっと社内でいろんなことを想定・検討したでしょうが、結果的に、甘かったと言わざるを得ません。
今回吉本は、その対応のまずさ、一貫性のなさ、芸人に対する吉本のパワハラ体質?などからくる批判、世間一般の常識との乖離(契約書は作らないなど)からくるアレルギー(過敏)反応、判官びいき、各々が勝手に妄想する勧善懲悪ストーリー、視聴率が稼げるスケベ心、同調圧力、巨大企業に対する妬み・嫉みなど、善意・悪意関係なく世の中の様々なポジショントークや感情に襲われました。でもこれは、吉本の「評判」を形作っている正体ともいうべきものです。
今回の件は、吉本のみならず全事業者が、改めて反社会的勢力に関わることの恐ろしさやSNS時代に情報を隠すことは容易でないこと、まずい対応をした場合の評判リスクがあることなどを認識する良い機会になったことと思います。
それにしても、池乃めだか師匠がテレビの直接取材を受けて「吉本に対して言いたいことは?」に対し「背が高くなる薬を開発してくれ」と答えたのは、見事としか言いようがない!まだまだ吉本は健在でしょう。
BisNavi201908月号掲載