セクハラって難しい
4月は、財務事務次官のセクハラ疑惑が世間の耳目を集めました。彼がセクハラを日常的に行っていたのならもちろん許されないことではありますが、いつまでも報道で、あるいはパフォーマンス的に野党国会議員が彼をたたくのは正直やりすぎで、こりゃいじめの構図だよなぁ、と個人的には感じます。
話が逸れました。セクハラは、「相手の意思に反して相手を不快や不安にさせる職場における性的な言動及び他の者を不快にさせる職場外における性的な言動」のことを言います。例えば、性的な話題でからかったり、不必要に体に触ったり、容姿や年齢・結婚について指摘・話題にするなどです。これらの例に限らず、相手が不快に感じ、職場にいるのが苦痛になったり、働くことの意欲が下がったりすれば立派なセクハラとなります。ありがちな男性から女性に対してだけでなく、女性から女性、女性から男性、男性から男性についても成り立ちます。 職業柄、従業員・会社の双方からセクハラの相談を受けることがありますが、正直言って判断が非常に難しいです。事務次官のように音声録音が残っているならともかく客観的なものがあまりないことが多く、またセクハラを訴えていても、よくよく話を聞かないと、実は「疑似恋愛セクハラ(部下の好意があると過失なく誤解した上司が起こすもの)」や「腹いせセクハラ(叱られた・振られた・他の部下への嫉妬などから起こす逆恨みやでっちあげ)」だったりすることもあるからやっかいです。
セクハラは、行為者と被害者の間の認識に大きな差があることが多いため、もし軽い冗談のつもりだったとしても、相手の受け止め方によってはセクハラを指摘されることが往々にしてあります。とは言え、気にしすぎたら会話することもままなりませんから、過剰に委縮せず自然体で過ごし、指摘を受けたときに真摯に対応するしかないのかなと思います。
BisNavi201805月号掲載