ラピス司法書士事務所 | 福岡市西区姪浜

ラピス司法書士事務所 お問い合わせ
お問い合わせ

企業法務コラム

その保証人、大丈夫?

新型コロナウィルスが鎮静せず、GOTOキャンペーンは大誤算…感染防止と経済再開の両立に苦慮していたところに飛び込んできた安部首相の辞意表明。政治的空白や政策の一時停滞の可能性まで浮上し、より一層先行き不透明感を増した8月でしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?ご自身の未来予測に基づく自助努力を続けるしかありませんね。

さて、前置きはこのくらいにして、今年4月1日から改正民法が施行されたことに伴う注意喚起が今回のテーマです。

事業に関連して交わす何らかの契約(取引基本契約、売買契約、リース契約、賃貸借契約など)のときに、もしもに備えて保証人を取る、すなわち保証契約条項が入っているケースは多々あります。この「保証」が大きく変わりました。次の一文、よく契約書に入っていますが、何か問題があるでしょうか?

「丙(保証人)は、本契約に基づき乙(借主等)が負担する一切の債務を連帯して保証する。」

ん?これの何が悪いの?という方、危険です。保証人が個人の場合、4月1日以降は、この文言での保証契約は「無効」となりました。せっかく保証人を付けたのに、まったく意味がないことに…。押さえておくべき特に重要な改正点は、次のとおりです。

①保証の上限額を定めることが必須

…定めてなければ効力を生じない

②保証人に対する情報提供が義務化

…情報提供していない・虚偽の情報を提供していたら、保証人は取り消せる

 他にも事業者にとってリスクある改正点はあるのですが、ご自身が保証人を提供してもらう側の事業者なら、少なくとも上記の2点だけは頭に入れておくようにしましょう。ちなみに、4月1日以降に締結された契約、には原則として契約の「更新」も含まれますから、自動更新条項が設けられている場合は、契約書の改訂なども検討が必要となるでしょう。

BisNavi202009月号掲載