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企業法務コラム

「簡単虫よけ」は不当表示?

テレビや新聞で大々的に報じられていたのでご存知の方も多いと思いますが、虫コナーズや虫よけバリア、虫よけネットなどの空間用虫よけ剤を販売する大手4社に対し、消費者庁は、景品表示法(有料誤認)違反で措置命令を出す検討に入っているとのことです。

一般消費者は、誰もがよりよい商品やサービスを求めるところですが、消費者が購入の拠り所とするのは、事業者側が提供する情報が大部分だったりします。

事業者がモノやサービスを販売する場合、チラシやカタログ・商品のパッケージを作ったり、ポスター・看板による広告や新聞・インターネットによる広告を行ったりします。

とすると、当然売らんがために、実際の品質、内容や価格等を偽って表現する良からぬ広告が出てくるのは想像に難くないでしょう。

こうした事態を防ぎ、消費者の利益を保護するために、様々な広告媒体に書かれた表現(表示)について規制する法律が必要になります。これが、景品表示法です。

景品表示法で不当表示として規制されるのは、冒頭にあった優良誤認表示(例:カシミヤ混用率80%なのに、カシミヤ100%と表示)・有利誤認表示(例:他社商品の1.5倍と書いていたが、実際は同程度だった)などがあります。事業者がこの規制に違反すると、消費者庁から「措置命令」を受けることになりますが、実質的な痛み(キャッシュアウト)に乏しいところに難がありました。

ところが、平成26年11月に景品表示法の改正が成立し、新たに不当表示規制に違反した制裁として「課徴金納付命令」を課すことができるようになったのです。どの程度の課徴金かというと、対象商品・サービスの売上額の3%相当額(過去3年間分)となっています。

実際の改正法の施行は、平成28年5月までの間で政令に定める日ですので、まだ先ですが、こういう法改正の動きがあることは早くキャッチして、上手く自社の広告表現の見直しに活かしましょう。

BisNavi201502月号掲載