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企業法務コラム

退職代行会社から連絡が…

最近よく目にする退職代行会社。細かいサービス内容は会社によって違うかもしれませんが、概ね、退職の連絡、離職票や私物の発送に関する連絡、退職者本人への直接連絡の拒否、社会保険の手続確認などを行うようです。メディアに取り上げられてから、あっという間に会社が増え、東京などの大都会では珍しくなくなってきているのだとか…。

私自身、過去に3回正社員の退職を経験していますから、退職のことを言い出しにくいな~、切り出すタイミングはいつにしようかな~と悩むのはよくわかりますが、古い考えなのか、退職の意思表示くらい直接自分でしろよ・礼儀だろと思わなくもないです。ですが、これも時代の流れなのでしょう。「今」にすごくマッチしたサービスなのは否めません。福岡でもいずれ退職代行会社からの連絡事例が多々出てくると思われます。

では、退職代行会社から連絡があったら、会社側はどのように対応したらよいのでしょうか。

まず、電話口の退職代行会社が本当に本人から依頼を受けたのかについて、委任状や契約書などの書面提示をしてもらい契約関係の確認をすることが必要です。話はそれからです。もし契約関係の確認をしないまま漫然と退職を進めてしまうと、場合によっては会社側の過失を問われる可能性があります。

次に、退職代行会社から退職日交渉や残業代・退職金の支払請求、有休の買取請求などの交渉がある場合は、弁護士資格か司法書士資格を持っているかの確認が必要です。弁護士や司法書士(ただし、140万円以下)以外の者が、本人から報酬を得て法律事件を取り扱うことは禁止されているからです。資格を持っていなかったら、その交渉は拒否して構いません。

退職代行会社を使ってでも退職したいという人が出てくることを前提として、即日退社に伴うリスクを前もって検証し、予め対応を練っておいた方が良いと思いますが、いかがでしょうか。

BisNavi201811月号掲載